経営者としてのスピリット

日産自動車のカルロス・ゴーン前会長の「ゴーンの法則」といわれるものによると、

人間はずっと同じ仕事をしていると限界に到達したり、能力がなくなったりすることがあります。古びてしまう。技術は日進月歩で進んでいるのに「現状維持」というのは死を意味します。常に、今の仕事に対して納得するまで走り続けなければなりません。たった今、業績が良かったとしても、今のままを維持してしまったら将来的に駄目になります。今あるのは暫定的だと思い、常に志を高めなければなりません。これがマネジメントの基本ですと言われています。

どこに向かって走り続けていたのか?ゴーンさんの舵取りは間違ってなかったのか?

当社の訪問車は日産デイズを新車で4台購入しました。はじめてのお宅でも訪問しやすいようにグレードも性能の良いものを選びました。ナビやバックモニターなど運転しやすいとスタッフには人気があります。さすが技術のニッサンだと感心していましたが、まさかこんな不祥事が起こるとは・・・

またゴーンさんは、日本の文化がリーダー育成を阻むとも言われていました。

「偉大なリーダーの誕生を阻む原因となる、日本の文化があります。それは他の文化を尊重し、他者の気分を害することを嫌がる。そして集団を好みます。リーダーは集団でやるものではないから、これはなんとかしなければなりません。」「フランス人や米国人にも傾向があります。日本人の他者を思いやるという文化は素晴らしいものです。しかしリーダーには向いていません。なぜなら、他者を傷つけても成長させるのがリーダーだからです。この部分に手をつけていけば、日本人は偉大なリーダーを持つことができるでしょう。ただし、いくつかの文化的な要因を変えなければならない。」

偉大なリーダーだけで仕事や会社は成り立つのでしょうか?会社の業績が良くなったとしたら、そこで働く人たちの幸せに繋がっていますか?残念ながらゴーンさんは会社の利益を私物化してしまいました。逮捕にまで至ったのは、自分の幸せや欲を優先してしまった結果でしょう。しかし残念ながら、こんな経営者は多いと思います。

90億円を越す報酬なんて、もはや如何程の価値があるのか、私には想像がつかない世界です。自然に従業員との格差も広がってしまったのでしょう。

私は 経営者として、何を核において経営するかが大事だと思っています。私が大事にしたいのは、当社で働いてくれる人の幸せに責任を持つことです。スタッフが幸せを感じられない状況では、利用者さまに喜んで頂けるサービスが提供できないからです。

当社は物を売る会社では無いので、量産して収益を劇的に上げることもできません。またコスト・カッターの様に人件費をカットする事も、手っ取り早く利益を上げるやり方でしょうが・・・

しかしスタッフが少なくなれば、残ったスタッフの負担が増えます。負担が増えて、余裕がなくなると当然、ミスが増える。また、ケアする時の笑顔も消えるでしょう。

「ゴーン・ショック」のあと、欧米を真似て短期的な利益を追求する企業経営を是認する風潮がありました。「お金があれば、幸せ」という単純な拝金主義がまかり通っています。表面上の数字だけをみて、働く人の幸せという観点が抜け落ちているように感じます。

日本経済は中小企業の経営者に支えられています。何十年も先を見据えた「日本型経営」の原則に守られています。後世の人々に恥じない社会をつくっていくためにも、人の幸せを真剣に考えることが出来る経営者が必要だと感じます。

木村