節目の令和元年

 時代は平成から令和に変わり、今年は当社にとっても大きな節目の年でした。

 4月に姫路市の離島である家島、坊勢の訪問看護をスタートさせてから8カ月が過ぎました。今では家島地区だけでも利用者数は70名を超える勢いです。スタッフ数も増やして対応していますが、未だサービス待機者がいる状況です。開業して1年半で、利用者数、スタッフ数ともに2倍以上になりました。それでも、なかなか順風満帆とはいきませんが、最近やっと家島地区での「るり」の存在感が出てきたように感じます。

 姫路市内には、訪問看護ステーションが78事業所ほどあります。他のステーションと同じ事しか提供できないステーションにはしたくないと開業当初から漠然と思っていました。上手くいっているものを真似するのは簡単ですが、人がやっていない事を当たり前の様に出来る!誰もやった事のない事をやる。それが上手くいくかどうかは分かりませんが…それくらいのやる気や勇気が無いと、私がステーションをやる意味が無いと考えていました。

 姫路広報での姫路市長のお言葉で、「人がやっていないから出来ない。前列がないから出来ないっていう説明を受けるのは嫌です。やっていないなら、むしろやる価値があるじゃないか。」「離島での診察や東日本大地震の現場など、それぞれの場所でやり尽くしたと言えるように懸命に頑張ってきた。与えられたチームの中で最善を尽くして、「俺たちはベストを尽くした」って言い切れるぐらい完全に燃焼できたら、次にまた繋がるのではないでしょうか。」という言葉に熱い思いと強い信念を感じました。私も全く同感です。理学療法士として、利用者さまに何ができるか?と常に考えています。

 この12月から坊勢で、るりマッサージ治療院を開業しました。私は理学療法士ですが、一般の方は、理学療法士、マッサージ師、柔道整復師、カイロ、整体などの区別がついていません。国家資格者であるか無いか?何をしてくれる人か?どんな勉強をしている人か?など、残念ながら区別がついて利用されている方は皆無です。

理学療法士とは、「理学療法士及び作業療法士法」第2条には「身体に障害のある者に対し、主としてその基本的動作能力の回復を図るため、治療体操その他の運動を行なわせ、及び電気刺激、マッサージ、温熱その他の物理的手段を加えることをいう」と定義されています。理学療法士は、怪我や病気のあと再び機能を取り戻す訓練をします。しかしながら、学問でも実習においてもマッサージの勉強はしていません。定義にもマッサージとあるのに、マッサージの勉強は一切していません。ある実習先では、「マッサージをするな!マッサージは禁止」という慢性期の病院もありました。これは何故なのか?

 訪問リハビリをしていると、日常生活動作につながる運動を行えるまでに身体機能レベルをあげようとすると…関節可動域訓練や筋力強化訓練だけでは話しになりません。限られた時間で、筋緊張を落とせる事や筋肉の柔軟性を高める事が最優先となってきます。理学療法士で、四肢末端に即時に血流を流す事ができます!と言える人が何人いるでしょう。冷感や痺れ、疼痛で困っている方はとても多いです。リハビリする前に、気候や老化に負けています。そんな方々を多くみていると、理学療法士の知識や技術だけでは通用しないと感じました。

 そこで、訪問医療マッサージが提供出来ないか?と考える様になりました。按摩マッサージ師は、東洋医学の分野を勉強し、予防医学に繋がっています。全く違う学問と技術を持っていますが、一般の方には理学療法士と区別がつきません。しかしながら両方とも確かな技術を持った人材でチームをつくり、サービスを提供出来れば、沢山の方々に喜んでいただけるのではないだろうか!という思いつきから治療院が始まっています。

 リハビリとマッサージ!やってみないと分かりませんが…未知の可能性が秘められている様に感じます。

治療院がオープンしてひと月ですが、早くも訪問リハビリとの相乗効果が認められる方もおられます。下肢のリンパ浮腫が酷い方でしたが、不思議なくらい浮腫が軽減されて歩き易くなられています。

「企業は社会の公器である」と松下幸之助さんは言われてます。社会に何らかの価値を提供するのが企業の存在意義であると思います。当社には、看護師、理学療法士、按摩マッサージ師と全員、国家資格者が在籍しています。各人の価値観を認め合いながら仕事が出来る環境や、多様性を認め合い尊重できるマルチな会社を作っていきたいと考えています。

 令和元年の離島での基礎作りが令和2年の飛躍に繋がるように、るりのチームでベストを尽くしていきます。姫路の皆様に喜ばれ、この姫路で愛される存在意義がある会社でありたいと願っています。

木村