国民皆保険制度

 医療を取り巻く大きな問題のひとつに「医療費」があります。先日、医療保険の認識の薄さを感じる事がありました。

 国民健康保険に加入の70歳くらいの方ですが、「保険料が高くて納められない」「年金も納めていない」「介護保険料も納めていない」と言われる。詳しく話しをお聞きしていると、「病院に行く時には、少し保険料を納めて、短期証を出してもらっている。」この短期証というのは、滞納世帯でも少しの保険料を納付すれば、有効期間が何ヶ月かの短い期間の健康保険証を発行してもらえるというものです。

この方は宗教法人で活動されており、それなりの地位がある方だったので、余計にモラルの欠如を感じ愕然としました。

 そもそも、常時従業員を使用している宗教法人は本来であれば社会保険の加入義務があります。
しかし各宗教団体の反対により加入促進が一時停止されております。反対する理由は、保険証が必要な時に少しだけ納付すれば資格が手に入る国保の方が都合が良いからでしょうか。宗教法人だけ適用除外にするのであればしっかりとした法的根拠が必要だと思いますが、行政にはそこまで踏み込める権限がないようです。

 例えば駐車違反の反則金は期限内に納めるのに、国保料をまともに納めないのは何故でしょうか?滞納していても逮捕されないし、一般公開されるペナルティも無いので、誰にも滞納者だと分からないからでしょうか。行政権と司法権が相互に抑制するのではなく、連携していかなければ滞納者は減少しないと思います。このままでは、せっかくの国民皆保険制度が崩壊してしまうでしょう。

 日本では1955年頃まで、農業や自営業者、零細企業従業員を中心に国民の約3分の1に当たる約3000万人が無保険者で、社会問題となっていました。しかし、1958年に国民健康保険法が制定され、61年に全国の市町村で国民健康保険事業が始まり、「誰でも」「どこでも」「いつでも」保険医療を受けられる体制が確立しました。

 しかし今、国民健康保険(国保)の保険料を滞納している兵庫県内の世帯は、加入者全体の約4分の1に当たる18万650世帯に上るという。国保財政の赤字解消に向け、運営主体が市区町村から都道府県へ移ったが、兵庫県によると9割に当たる自治体で保険料が上がる見込みだそうです。

 支払い能力がある世帯がきちんと納付すれば滞納世帯が減少しますし、また健康管理をきちんとする人が増えれば、きっと保険料も下がるでしょう。今の自分の生活だけを考えるのでは無く、皆が後世に恥じない生き方をしていけるといいですね。日本国民として権利を主張するなら義務も果たすべきではないでしょうか。

木村